FX取引では、少資金から始められることや、FX業者の増加により選択肢が増え、各社において様々なサービス展開が行われています。
また、口座開設も簡素化されている業者が多く、誰でもスマホがあれば簡単に開設でき、早ければ一日でFX取引ができるようになります。
最近では、専業主婦のお小遣い稼ぎや、サラリーマンの副収入としても注目されています。
しかし、一概にFX口座を開設すると言っても、国内のFX業者か、はたまた海外のFX業者で開設するか悩ましいものです。
そこで、FX口座を開設するにあたって、意外と盲点となっている「取引方式」と「税制」について解説します。
サイトの信頼性
投資歴:11年
FX投資:11年
日本株式投資:7年
米国株式投資:5年
暗号資産投資:3年
今まで色々な投資を行ってきましたが最初の一歩は中々出せませんでした。
やはりノーリスクではないところに躊躇してしまっていたのですが、今は投資によって論理的思考、構造的な考え方が身に着いたので投資を行う事によって得た利益よりも一生使えるスキルとしての思考力の方が自分にとっては良かったと感じています。
投資にテクニックや分析は必要ですが、思考力が圧倒的に大切です。
このサイトでは思考の土台になる情報を余すことなくお伝えいたします。
投資をフックに人生を豊かに!!
皆様の投資を加速させる一助になれることを切に願います。
FX業者の採用している「取引方式」について
取引方式は大きく分けて「NDD方式」と「DD方式」の2種類あります。
それぞれに特徴があって実際のトレードにおいて勝敗を左右する大きな要因になります。
まずはそれぞれの特徴をわかりやすく表にまとめます。
DD方式 (ディーリングデスク) | NDD方式 (ノーディーリングデスク) | |
主に採用されている国 | 日本 | 海外 |
FXディーラー仲介 | 有り | 無し |
取引スピード | 遅い | 早い |
約定率 | 不安定 | 安定 |
スプレッド | 固定型低スプレッド | 変動型スプレッド |
国内と海外だと結構仕組みからして違うんですね!!
うむ、どちらがいいかは投資スタイルにもよるのだが投資家を守る制度は海外の方が強いかもしれんな
海外の方が投資がメジャーな分整備されておる印象じゃの。
DD方式とは、おもに日本のFX業者で採用されている取引方式です。
特徴としては、トレーダーとインターバンク(市場)との間に「FXディーラー」が仲介に入り、FX業者側が注文を一度決済した後にインターバンクに約定するか、もしくは他の注文と相殺するかを決める取引方式です。
この取引方式は、トレーダーの利益がFX業者の損失になり、ドレーダーの損失はFX業者の利益になるため、トレーダーが不利になる場合が多いと言われています。
過去に発生した事例としては、「スイスフランショック」や「フラッシュクラッシュ」と呼ばれる世界規模の問題が発生した時に、「ストップロス狩り」という現象が多発しました。
これは、FX業者側がレートを意図的に操作し、損切りラインに設定している「ストップロス注文」をわざと約定させるということがあったといわれています。
そのときは100pipsも一気に変動したとのことです。
このような事例があったため、DD方式はトレーダーにとってデメリットとなる部分が多いと考えられています。
しかし、デメリットだけではありません。
DD方式はスプレッドが、固定型となっており、なおかつスプレッド幅が狭いところについては、メリットといえます。
対する、NDD方式とは、おもに海外FX業者が導入している取引方式です。
トレーダーとインターバンクの間にFXディーラーが仲介しない取引方式のことで、仲介しない分だけ取引スピードが速くなり、透明性のある安定した約定を実現することができます。
NDD方式では、変動型スプレッドが採用されることが多く、市場の過熱感などの変化によって、最適なレートをトレーダーに提示してくれます。
また、NDD方式を細かく分類すると、さらに「STP方式」と「ECN方式」があります。
STP方式(ストレート・スルー・プロセス)
この方式は、トレーダーがFX業者に対して本来支払うべき取引手数料が無料になるかわりに、スプレッドにFX業者の利益分が上乗せされるため、スプレッド幅は広くなります。
ECN方式(エレクトリック・コミュニケーションズ・ネットワーク)
この方式は、FX業者の利益分として取引手数料がとられるかわりに、注文は直接インターバンクに流れるのでスプレッド幅は狭くなります。
それぞれの方式によって特徴があり、実際にトレードをするうえでとても大きく影響してくるので、利用するFX業者を決める際、しっかりと確認するようにしましょう。
FX取引における税制の違い
FXでは、取引で年間20万円以上の儲けがでたら、確定申告をしなければならないのはご存じとは思いますが、同じFXの利益でも、海外FXと国内FXでは適用される税制度が異なります。
そこで、国内FXと海外FXの利益に対する税制の違いについて解説します。
まずはそれぞれの特徴をわかりやすく表にまとめます。
国内FX | 海外FX | |
課税方式 | 申告分離課税 | 総合課税 |
税率 (住民税含む) | 復興所得税を含めて20.315% | 195万円以下…15% 195万円超〜330万円以下…20% 330万円超〜695万円以下…30% 以降、段階的に税率は上がり、最大では55%になる |
海外FXには、「総合課税」が適用され、利益が増えるにつれて税率が高くなります。
一方、国内FXには「申告分離課税」が適用され、利益の額に関わらず税率は一律20%です。
「海外FXの方が税金が高い」とイメージを持たれている方もおられるかと思いますが、利益が少ないうちはむしろ海外FXの方が税率は低いのです。
利益額が195万円以下の場合は、海外FXの方が税率は低く、330万円までは両者の税率は同じです。
しかし、330万円を超える利益額になった場合は、国内FXの方が税率が低くなります。
また、兼業トレーダーの場合、海外FXではFXの利益が本業の収入と合算されて税率が計算されますので、実際には国内FXと同じか高い税率が適用されてしまう人が多くなることから、税制面では海外FXがデメリットと言えます。
補足(国内FXにおける税制の詳細)
FXにおいて発生した利益は、「先物取引に係る雑所得等」に分類され、さらに「申告分離課税」に分類されます。
では、この申告分離課税の税率と計算方法について解説していきます。
上記のとおりFXの所得は、雑所得に分類され、そのうちの「先物取引に係る雑所得等」の「申告分離課税」となり、20.315%の税率がかかります。
税率20.315%の内訳は「所得税15%」+「地方税5%」+「復興特別所得税0.315%」となっております。
なお、復興特別所得税は、東日本大震災からの復興のための施策として課されることとなった税金のことで、2013年1月1日から2037年12月31日までの25年間にわたり、所得税額に対して復興特別所得税2.1%が課税されます。
FXの税金の計算方法として、課税対象となる利益は「為替差益」と「スワップポイント」の合計がFXの利益となります。
その利益から「必要諸経費」を差し引いた額が、FXの利益となり課税対象額となります。
FXの税金の計算式は次の通りです。
「FX取引の利益(課税対象)」=「為替差益」+「スワップポイント」-「必要諸経費」
では、具体的に説明します。
例えば、為替差益が30万円、スワップポイントが1万円、必要諸経費が1万円の場合、この計算式に当てはめると
FX取引の利益(課税対象)=30万円+1万円-1万円=30万円
税率は一律20.315%(所得税15%+住民税5%+復興所得税0.315%)となるので、各税額は次のとおりとなります。
・所得税額 = 30万円 × 15% = 45,000円
・住民税額 = 30万円 × 5% = 15,000円
・復興所得税額 = 30万円 × 0.315% = 945円
・税額合計 = 60,945円
※必要経費とは
FX取引において必要となる経費のことで、主に挙げられる経費項目は、「通信費」「交通費」「書籍費」「振込手数料」等です。
他にも、「パソコン購入費」や「光熱費」「家賃」なども経費にでき、これら必要経費をきちんと差し引くことにより税金対策ができます。
しかし、何でもかんでも経費に挙げていると税務署から指摘されることがあるため、必要があれば会計事務所などに相談してみることをおすすめします。
また、FX取引では利益が出るだけではなく、損失が上回る場合があります。
そこで、損失が上回るなどの場合に適用される「損益通算」と「繰越控除」について説明します。
まずは、損益通算について説明します。
1年間を通したFX取引の中で「先物取引に係る雑所得等」で損失が出た場合、他の「先物取引に係る雑所得等」の利益と合算することによって、利益額を減らすことができます。
これを「損益通算」と呼びます。
例えば、FX会社X社で50万円の損失が出たとします。
FX会社Y社では100万円の利益が出ていた場合、「先物取引に係る雑所得等の課税対象額」は50万円(100万円-50万円)となります。
なお、損益通算を行う場合には確定申告が必要です。
なお、暗号取引(仮想通貨)や海外FX業者での損益は損益通算できませんのでご注意ください。
続いて、繰越控除について説明します。
FX取引で発生した損失のうち損益通算を行った結果、最終的に損失が上回ったとします。
このような場合、当該損失額については、翌年以降3年間にわたって先物取引に係る所得額から「繰越控除」をすることができます。
例えば、X年に100万円の損失があった場合、翌年には30万円の利益が出た場合X年の損失の100万円から30万円は相殺され、課税対象額は0円となります。
また、その翌年に50万円の利益が出ても、X年の損失分70万円を繰り越せるのでこの年も課税対象は0円。
3年目に70万円の利益が出た場合、残りの損失分20万円を相殺した残金50万円のみが課税対象額となります。
以上のように3年間にわたって損失額を「繰越控除」することができます。
なお、繰越控除を行った以降は、取引の有無に関わらず、確定申告を毎年行う必要があるので、注意が必要です。